連絡会側からはせんだい保育室等の施設長、職員、保育園に子供を通わせている保護者など27名が出席、連絡会設立の経過説明、仙台市に対する協議書の朗読に続いて認可園に入れない低所得の保護者に対して給食費や保育料をサービスしている園があること、経営者のボランティア精神に頼っている現実をどう考えるかという話や、大型の認可園を作るのに熱心なあまり家庭的できめ細やかな良さを持った小規模園がなおざりにされていないか、と心配する保護者からの手紙が朗読されました。一様に、大きな園ばかりが良いのかという疑問が投げかけられました。
これを受けて各々の候補者はこれまでの自身の生活や保育園とのつながりを振りかえり児童福祉についての考え方や、現在の市政、さらに市長当選後の保育事業の進め方などについて意見をのべました。
・伊藤貞夫 氏
大きな施設にお金をつかうより、小規模なところ、弱い立場の人にお金をつかうべきだと思う。仙台市は財政規模が大きいのだから使い方をみなおしていけば可能になるはずだ。
・梅原克彦 氏
“小規模園”の経営の大変さは母（小児科医院、ベビーホーム経営）を通して実感しているが、仙台の将来をになう子供たちのために努力したい。歳入増をはかって財源の裏打ちを得る工夫をする。働いている母親の為にショートステイ制をバックアップしたい。もし、市長になったら市民の生の声をきくこういう会にぜひ参加したい。
・小野寺信一 氏
地下鉄東西線と保育の問題には財政と政策決定の面から共通点がある。
今までの市政では、
1.失敗から学んでいない
2.将来の予測がない
という欠陥があった。このことは教育や福祉の面にもあらわれているように思うがこの特徴はなにかというと人の話を聞かない、ということである。何十億もの費用のかかる地下鉄東西線を推進しながら苦しい経営を強いられている小さい保育園に効率を求めるのはあべこべではないか。無駄を省き財源を移行することは可能。話をよく聞く職員をつくり、話し合いの中でいいものをつくる、仙台ならでは、といわれるようなものをつくっていきたい。
・鎌田さゆり 氏
小さいところをつぶす、保育所統廃合の動きがあるが自分は反対。小さいところ、弱いところに光をあてるべきではないか。小出しのばらまき、天下り人事の人件費など無駄をみなおしていく必要がある。子育てプランについてもニーズに合ったサービスになっていないという声を聞く。保育の現場の声を生かした「子育て支援条例」をつくり“子育てをするなら仙台”といわれるようなことをめざしている。
・かんま進 氏
税収増の期待できない現状で行財政改革を断行しなければならない。せんだい保育室の重要性はよくわかっているので問題点については誠心誠意とりくんでいくつもりだが、厳しい財政状態を考えたとき、充分な情報公開をし話し合いをつくしていかなければならないと思う。
・佐藤和弘 氏
所得に応じた保育料が設定されなければならない。設備が大きければ良い保育ができるのかという疑問がある。過大な設備をもった認可園ばかりを増やしていくのが正しいことなのだろうか。ケアの面、運営の面からみても見直しが必要だ。小規模園でも所得に応じた保育料という方向にむかっていくべきだと考えている。
連絡会のメンバーと共に参加した保護者は、子供を預けている親の立場からの意見として
・小規模園の良さを理解し、小規模園が存続できるよう経済的にも安定できる助成をしてほしい。
・子育ての大事さは分かっているが他に問題がある。例えば公立認可、無認可の役割分担がわかっていない。育児のスタイルは多様化しているが以前はここに行かせたいという特色のある無認可を親が選んでいたが、経済状態が厳しい現在なかなかむずかしいものがある。
・市役所内部の統合調整をはかってほしい。
・現場の声を聞き、机上の空論にならないようにしてほしい。
・市の人口を増やすということに着目し、保育行政に目を向けていってほしい。
この他にも保育園職員の立場から、また、家庭保育福祉員の立場から意見や要望が出されました。市長候補が一堂に会し、保育問題という一つのテーマに絞ってその考えを明らかにするという今までにない機会を得て、これからの市の保育行政に対して小さな希望が芽生えたような気がします。
誰が市長になられるのかわかりませんが新しい市長にとって“保育”というのが決して未知の分野ではなくなっているはずです。この会で話されたことが現実のものとなり“保育行政は仙台に学べ”といわれるようになることを願ってやみません。
文責：仙台市保育室連絡会 伊藤
ラベル: 連絡会からのお知らせ
